卵かけご飯って美味しいですよね。日本人で卵かけご飯が嫌いという人は珍しいのではないかと思います。
ご飯と卵という2つの材料だけで簡単に作れるのも魅力。
でも、そんな簡単なものが、海外在住の日本人にとってはなかなか食べられないんです。
やはり、食中毒にならないか心配してしまいますよね…。
この記事では、海外で卵かけご飯を食べるのは本当に危険なのか、海外で卵かけご飯を食べたい時にできるだけ安全に食べる方法をご紹介します。
海外で卵かけご飯を食べるのは危険?
炊きたてのホカホカに生卵を混ぜた卵かけご飯、みんな大好きですよね。
海外に住んでいると和食が恋しくなるというのは往々にしてあることですが、今や和食は広く認知され、都市に行けば割とどこでも食べられたりします。
また、海外から日本食材を取り寄せたりするのも、昔に比べたらずいぶん簡単にできるようになりました。
でも、卵かけご飯はそうはいきません。
なんといっても、卵は生物(なまもの)。
海外で買える卵は、生で食べられるくらい新鮮なの?食中毒になったりしない?と不安になり、なかなか挑戦することができない人も多いようです。
というのは、「卵にはサルモネラ菌という危険な細菌がついている」ということは、日本ではよく知られていますからね。
日本の卵と海外の卵
でも、日本人は生卵を入れていたお皿にそのまま割り入れた生卵を食べちゃったりしますよね。
これは危険じゃないの⁈と思うかもしれませんが、大丈夫。
というのは、日本では卵を生食する前提で生産されているからです。
徹底した衛生管理でそもそも鶏がサルモネラ菌に感染しないようにし、卵の洗浄、殺菌を行っています。
そして、消費期限が明記され、新鮮なうちに生食されます。
なので、日本で流通している卵を消費期限内に生食するのは安全なのです。
でも、海外ではそもそも卵を生で食べるということはないので、流通している卵も洗浄・殺菌されていないのが普通です。
私がいつも買っている卵は、いわゆる地鶏卵で美味しいのですが、卵の殻には糞尿、羽なんかがくっついていますよ…。
見るからに汚いし、いくら水で洗ったからといって、パカッと割ってそのまま生食するのはためらわれます。
サルモネラ菌とは
この卵の殻についているというサルモネラ菌は、家畜やペットなどの腸管や、下水などの自然界に広く存在する細菌。
卵の殻についているということが知られていますが、他にもネズミやゴキブリだけでなく、犬や猫、カメなどペットからの感染例もあります。
食中毒になると、腹痛、嘔吐、下痢、発熱などの症状があり、重い場合には命を失うことも。
それは怖い!特に免疫力の弱い子供・老人は要注意です。
では、卵の殻で食中毒にならないためにはどうしたらいいのでしょうか?
サルモネラ菌は、次のような特徴があります。
●10℃以下、46℃以上で増殖遅延
→つまり11〜45℃で増殖する。常温で放置するとサルモネラ菌が増えるので、冷蔵庫で保存しましょう。
その際、水で洗わずにそのまま入れてください。洗うと、卵の殻の表面にある抗菌効果がなくなり、菌が中に入ってしまう可能性があります。
●60℃、3.5分で不活化する
→つまり60℃で3.5分以上加熱するといい
海外で卵かけご飯を食べる方法
このようなサルモネラ菌の特徴を知れば、危険なラインをクリアすることで、卵かけご飯を食べられるようになります。
多くの人は、「卵かけご飯=生卵でなければいけない」と思っているかもしれませんが、火が通り過ぎていない温泉卵を使えばいいのです!
(※正確には「温泉卵」とは白身よりも黄身が固まっているものを言うのですが、一般的に黄身がトロリと固まっていないものも「温泉卵」と呼ばれたりしていますので、ここでは同じものとして扱います。)
温泉卵を作る
沸騰した湯に卵を入れて放置するだけで簡単に作れます。
卵を選ぶ際、
●なるべく新鮮なもの
●ヒビが入っていたり割れていないもの
を選んでくださいね。
<温泉卵の作り方>
①鍋に卵が完全につかるぐらいのたっぷりのお湯を沸かす。 ②沸騰したら火を止め、スプーンかおたまで卵を沈める。(乱暴に入れると卵にヒビが入って白身が出てしまうので、優しく入れましょう。) ③10〜12分ほど放置する。(10分だと黄身が柔らかく、12分だと黄味が固めになります。) ④お湯を捨て、水につける。 |
1個だけ作るなら、カップラーメンの空き容器に入れて蓋をして作る方法もあります。
鍋のサイズ、卵の個数によって固さが違うので、試してみてちょうどいいや水の量や時間の長さを見つけてみてください。
私は1200ccのお湯に卵4個を入れて作っています。
これだと、沸騰した100℃のお湯に10分以上つけておくことになるので(もちろん少しずつ温度は下がりますが)、サルモネラ菌を不活化させるには十分でしょう。
温泉卵で作った卵かけご飯
このように作った温泉卵は、こんな感じです。
黄身は固まっておらず、白身はぷるんとしています。
ご飯にのせましょう。
ご覧のように黄身はトロトロ。
白身は熱々ご飯に混ぜれば火が通るので、初めから多少固まっていても、生卵で作った卵かけご飯とほぼ変わりません。
実は、私は生卵の白身が「鼻水みたい」と思って苦手なので(笑)、こうやって白く少し固まっていた方が嬉しいです。
また、これくらい黄身がトロトロだと生卵とそれほど変わりませんが、もう少し加熱時間を長くして、黄身の周りが少し固まりかけるくらいになると、黄身の味がより濃厚に感じられます。
なので、もし生卵を食べられる状況でも、こうやって温泉卵を作って食べた方が美味しいかも⁈
注意
サルモネラ菌が体内に入ったからと言って必ずしも食中毒になるわけではなく、免疫力の強さや運によりますが、生食は避けるべきだと主張する人もいます。
また、サルモネラ菌はごくまれに卵の中まで入り込んでいる場合があり、このように食べれば100%安全だと保証するものではありません。
子供や老人、体調の悪い人は避けた方がいいかもしれないですね。
この記事では、なるべく安全に食べる方法をご紹介しましたが、自己責任でお願いします。
まとめ
海外の卵は日本のように生食を前提としていないので、卵かけご飯を食べると食中毒の恐れがあります。
なので、温泉卵で卵かけご飯にすることで、リスクが低くなります。
そうすれば、サルモネラ菌が不活化する上に、より美味しく食べることができますよ。
海外で卵かけご飯が恋しい人は、ぜひ試してみてください。