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バンクシーの正体は?インスタでのシュレッダーの種明かしと理由も

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2018年10月5日、イギリスのオークションでバンクシーの作品が落札された直後にシュレッダーが作動し、切り刻まれるという出来事がありました。

この映像を見たとき、まるでドラマか漫画みたい!とびっくりしました。

そして、アートにあまり縁のない人は、「バンクシー」という名前を初めて聞いた人も多いのではないかと思います。一体どんな人?と思ってWikipediaなどを見ても、なんだかよくわからない…。

それに、なぜ自分の作品にシュレッダーを仕掛けるなどということをしたのかもなんだか腑に落ちないのではないでしょうか。

なので、バンクシーの正体、シュレッダーでの種明かしや、なぜそのようなことをしたのかという理由をご紹介します。

関連記事:実はあのシュレッダーは失敗だった⁈シュレッダーはどうやって作動させたの?それが分かる動画をご紹介します。

バンクシーのシュレッダーは失敗⁈動画とどうやってスイッチが作動したか

 

 

バンクシー作品シュレッダーの種明かし

2018年10月5日、イギリスの有名オークション、サザビーズでバンクシーの作品「少女と風船」が、約1億5000万円で落札された直後、警報音とともにシュレッダーで切り刻まれました。

 

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Going, going, gone...

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それをアーティストであるバンクシー本人が、"Going, going, gone..." (行くよ、行くよ、行っちゃった…)というキャプションとともにインスタグラムに投稿。

 

その後、どうやって額縁にシュレッダーを埋め込んだかという種明かしの動画を投稿しました。

 

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. "The urge to destroy is also a creative urge" - Picasso

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キャプションは、「破壊衝動は創造的衝動でもある」というピカソの言葉を引用。

動画中には、「数年前、絵の中に密かにシュレッダーを仕込んだ。万が一オークションにかけられたときのために」と書かれています。

どうやってシュレッダーを作動させたのかはよく分かりませんが、本人は「ついにこの時が来たか…」とほくそ笑んでいたのではないかと想像してしまいます。

 




 

バンクシーの正体は?

この事件でアートに縁のない人の間でも一躍有名になったバンクシーですが、一体どのような人なのでしょうか?

1990年代からイギリスのブリストル周辺で活動を始め、主に街中の壁にグラフィティアートと呼ばれる壁画を残し始めました。反権力などの強いメッセージ性のあるアートを勝手に壁に描いたり、自分の作品を無許可で有名美術館にこっそり展示するなど展示するなどゲリラ的な手法をとるため、「芸術テロリスト」などと言われることもあります。

バンクシーの作品を見た人は、こちらを覗いてみてください。

バンクシーのインスタグラム→banksy

バンクシーのウェブサイト→Banksy

 

さて、そんなバンクシーの正体ですが、はっきりとは分かっていません。1人のアーティストであるとする人もいれば、アーティスト集団だという人もいます。

こうではないかという説やバンクシーの写真だと言われているものをいくつか紹介します。

 

1. イギリス人旅行者がベツレヘムで撮ったバンクシーの写真

出典:The Sun

2017年にイギリス人旅行者が偶然ベツレヘムで撮ったという写真です。ステンシルを持ってスプレイペイントしているアーティストを見かけ、何の気なしに撮りました。その時は名もないグラフィティアーティストだと思ったそうですが、しばらく経ってそれがバンクシー作品だと知ることになります。

しかし、その後、この人物はイスラエル在住のイギリス人アーティスト、ジェームズ・エイム(James Ame)さんだと分かりました。

彼のインスタグラムに、ほぼ同じ場所で同じ服装をしている姿が収められています。

 

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バンクシーは複数人からなるアーティスト集団であり、ジェームズさんはその1人であると考える人もいます。

 




 

2. マッシヴ・アタックのロバート・デル・ナジャ(3D)

 

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マッシヴ・アタックはイギリス・ブリストル出身の音楽ユニットです。そのボーカリストのロバート・デル・ナジャ(愛称は3D)さんがバンクシーではないか、またはバンクシーという集団を率いているのではないかという人もいます。

彼はバンドを結成する前は、グラフィティ・アーティストでもあり、インスタをのぞくと、数多くのアートが投稿されています。

 

3. ロビン・ガニンガム

2008年のメール・オン・サンデーによると、ロビン・ガニンガムさんというブリストル近郊出身のイギリス人男性がバンクシーの正体ではないかと思われる、ということです。元級友などや同僚への聞き込みで、ブリストル大聖堂公立学校の卒業生であるロビンさんではないかという結論に達したとのことでした。

2016年にバンクシーの弁護士が彼のことを「ガニンガム」と呼んだり、2017年にはDJゴールディーさんがバンクシーのことを「ロブ」と呼んだりもしています。(ただし、マッシヴ・アタックのロバートさんも「ロブ」なのでどちらか分かりませんが…。)

2016年に行われた調査で、ロビンさんの所在地とバンクシーの作品が現れた場所がほぼ同じであると分かったことから、この説が有力であると信じる人が多いようです。

 

バンクシーの姿が明らかになる⁈

2019年11月に、バンクシーといっしょに働いていた写真家が、「バンクシー・キャプチャード(Banksy Captured)」という本を間もなく出版すると発表し、話題になっています。

写真家のスティーヴ・ラザリデスさんは、1997年から11年間もの間、バンクシーの作品の撮影や車の運転などをしていた人。

本には、今まで公表されたことのない写真が多数収められる予定だそうで、いよいよバンクシーの姿が明らかになるかもしれませんね!

本の詳細は以下のサイトで。

Banksy Captured

 




 

なぜバンクシーは自分の作品にシュレッダーを仕掛けたのか?

自分の作品にシュレッダーを仕掛けて破壊する…。なぜそんなことをしたのでしょうか?

本人がはっきり言っていないので断言はできませんが、「セービング・バンクシー」というドキュメンタリー(Netflixにあります)を観ると、なかなか面白いことが分かりました。

壁の持ち主の許可を得ずに絵を描くことは違法であり、器物損壊とみなされます。見つかれば当局に捕まるので、バンクシーは正体を明かさず、覆面芸術家として活動しています。

グラフィティを発見した当局は、壁の所有者に、「落書きを消すように、さもなくば罰金を科す」という通告を出します。

また、街中にあるので、2〜3日もすると別の誰かがいたずらして、その上から落書きをすることも往々にしてあります。

オークションに出せば高値がつく芸術作品がもったいない…と考えるアートディーラーは、壁の所有者と交渉し、壁ごとその作品を取り出し、オークションで売ります。

実は、あるディーラーは、オークションにかけるのではなく、ストリートアートはみんなが見て楽しむためのものだから、美術館に寄贈しようと考えたそうです。でも、美術館のポリシーに合わなかったり、バンクシーが自分の作品であると認めなければ受け入れられないという問題があります。でも、自分の作品だと求めることは犯罪を認めることになるので、できませんよね。なので結局オークションで売られることが多いのです。

でも、高値で落札されても、バンクシーにはびた一文も入りません。

 




 

「セービング・バンクシー」でバンクシーと知り合いであるというグラフィティ・アーティストが語っていました。

「アーティストにはスタジオで創作する作品もあり、それで評価されたいと思っている。でも、ストリートアートは、それによって評価されたり美術館に飾られたりオークションで売られるためにやっているのではない。人々が見て楽しめるように、または自分が冒険して興奮を感じるためにやるんだ」(この人は実際何度も逮捕されているそうです。捕まるかどうかギリギリのところでアートを創造するスリルを楽しんでいるのでしょうね。)

バンクシーがこの人と全く同じ考えかは分かりません。バンクシーは有名企業からの依頼などもほとんど断っているようだし、ストリートアート以外の作品はほとんどなく、一体どうやって生計を立てているのか謎です。

でも、オークションで関係ない人が暴利をむさぼっている状況はやはりおかしいと思っているのでしょう。バンクシーは、「ストリートアートは創造された場所にあるべきだ。そもそも売るために描かれた絵ではない物を、オークションで買わないようにしてほしい」とニューヨークタイムズに語ったことがあります。

なので、自分の絵がオークションで売られていることに、皮肉と抗議の意味を込めてシュレッダーを仕掛けたのかもしれません。

または、あれは彼流のジョークであり、人々の驚く顔を見て大笑いしていたのかもしれませんね。

前出のバンクシーの知り合いのアーティストは、「彼は10分くらいでグラフィティを仕上げてしまうんだ。だから、きっと『俺が10分ぐらいでパッと描いたものにあんな値段つけるなんて』って笑っているのではないだろうか」と語っていました。

 




 

まとめ

2018年10月に起こった、サザビーズでのオークションでシュレッダーが作動してバンクシー作品が切り刻まれる事件は、バンクシー自らが仕掛けたものでした。

ストリートで鑑賞されるべきアートをオークションにかけられ、自分とは関係のない人が暴利を貪っていることへの抗議と皮肉を込めたものだったのでしょうか。または、彼流のジョークだったのかもしれません。

覆面芸術家として活動するバンクシーの正体は、いくつかの説がありますが、イギリスのブリストル出身のロビン・カニンガムさんではないかと思われているようです。

アートというのは、作家にお金が入らないと衰退していってしまうので、このような状況が改善されるといいですね。

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