今回は、とてもいろいろな意味があって海外ドラマや映画にも頻出する "mean" という言葉を解説します。
私は、実際にネイティヴが話すのをたくさん聞くようになる前は、
mean = 意味する
原形・過去形・過去分詞形の変化は、 ☆mean - meant - meant (過去形・過去分詞形の発音は「メントゥ」) |
と、中学生のテキストに書いてある知識そのままのことしか知りませんでした。
でも、海外ドラマや映画を観て、実にいろいろな意味で使われるんだなあ〜と分かってきました。
実際によく使われるフレーズを挙げながら見ていきましょう。
以下のフレーズを覚えておくだけで、驚くほどたくさんのセリフが分かるようになりますよ!
1. What do you mean? (どういう意味?)
mean <動詞> 意味する |
What do you mean? (どういう意味?)
これは、一番よく知られている、「意味する」という意味で使われています。相手が言ったことに対して、どういう意味で言ったのか真意を確かめたい時などに使います。
とにかくよく聞くセリフですね!日本語で「ワッどーゆー意味ーン?」と覚えましょう(笑)。
What do you mean by that? (それってどういう意味?)
と "by that" をつけて言うこともよくあります。
本当に相手の言ったことの意味が分からず聞き返すこともありますが、次の例のように、相手の言った意味が分からないわけではないけど、相手の言葉を繰り返して怒りなどを表す場合にも使います。
「君は怠け者だね。」
「『怠け者』ってどういうこと?」
2. I mean... (つまり、だから、いやその、っていうか)
mean <動詞> 意味する |
"I mean..." はつなぎ言葉です。自分が言ったことの補足説明をしたり、ちょっと訂正したりする時に、「つまり、だから、いやその、っていうか」という意味で使います。
「つまり私が意味するのは…」というニュアンスですね。
Can I talk to Jennifer... I mean, Mrs. Jones? (ジェニファー…ジョーンズ夫人のことなんですけど、お話できますか?)
しかし、日本語の「だからー」などと同じように、口癖になってしまっていて、特に意味はないけれど使ってしまうという人もいます。
3. That's not what I mean. (私が言いたいのはそういうことじゃないよ。)
mean <動詞> 意味する、〜のつもりで言う |
That's not what I mean. (私が言いたいのはそういうことじゃないよ。)
ここではまず、「what 主語 動詞」で、「(主語)が〜する(した)もの(こと)」と言う意味だということを押さえておきましょう。
つまり、"what I mean" で「私が意味すること」、文を直訳すると「それは、私が意味したことではありません」、つまり「私が言いたいのはそういうことじゃないよ。」という意味です。
状況としては、自分の発言の後に、相手が「こういうことなんでしょ」と誤解した返事をしたら、「違う、そういうことが言いたいんじゃないよ。」と返す時に使います。
そのあと、"What I mean is ...." (私が意味するのは…)と真意を説明するといいでしょう。
また、
I didn't mean it like that. (そういう意味で言ったんじゃないよ。)
と言う言い方もあります。
それから、誰かが自分が言いたかったことをズバリと言ってくれたら、
That's what I mean! (それが言いたかったんですよ!)
と言うといいでしょう。
4. What do I mean to you? (あなたにとって、私って何?)
mean <動詞> 意味する、〜にとって…のような存在である |
What do I mean to you? (あなたにとって、私って何?)
という表現も聞きます。直訳すると、「私はあなたにとってどのような意味がありますか」、「あなたにとって私はどのような存在ですか」ということです。
このように、「〜にとって…のような存在である」という「存在の意義」を表す場合にも使います。
He means everything to her. (彼は、彼女にとって全てだ。)
ちなみに、"What do I mean to you?" は、
"What am I to you?" (あなたにとって、私って何?)
というセリフと同じ意味で、これもよく聞きます。
5. I mean it. (本当だよ。本気だぞ。)
mean <動詞> 本気で〜しようと考えている |
この場合、"mean" は「本気で〜しようと考えている」という意味です。
こんな場面を思い浮かべてください。2人の人が銃を持っています。一人は相手に銃を向け、もう一人は腕に女性の人質を抱え、彼女の頭に銃口を突きつけています。映画に出てきそうな場面ですよね。
そして、人質を抱えた人が言います。
*put down 〜を下に置く、下に下ろす
*命令文, or 〜. 〜しなさい、さもなければ〜
「銃を下ろせ、さもなければ彼女を撃つ!本気よ!」ということです。
または、こんなセリフを聞くかもしれません。
「あなたのことが好きなの。本当よ。」
6. I didn't mean to. (そのつもりはなかったんだ。)
mean <動詞> 〜するつもりである、〜する意図がある |
ここでは、「〜するつもりである、〜する意図がある」という意味で使われています。
「mean to 動詞の原形」の形で使います。
誰かを誤って傷つけてしまった人は、こう言うかもしれません。
「本当にごめんなさい。あなたを傷つけるつもりはなかったの。」
toの後の動詞は、状況的に分かれば省略してもいいので、同じことをこうも言えます。
I'm really sorry that I hurt you. I didn't mean to. (あなたを傷つけて本当にごめんなさい。そんなつもりはなかったの。)
また、否定文だけでなくもちろん肯定文でも使います。過去形で、"I meant to ..."と言うと、「〜するつもりだった、(でもできなかった、忘れた)」という文脈でよく使います。
「あなたに電話するつもりだったけど、忘れちゃった!」
7. I meant it as a joke. (私は冗談のつもりで言ったんです。)
mean <動詞> 〜のつもりで言う、書く、行う |
I meant it as [for] a joke. (私は冗談のつもりで言ったんですよ。)
これもよく聞くセリフです。as, for はどちらを使ってもいいです。
8. It means a lot to me. (すごく嬉しかったよ。)
mean <動詞> 〜にとって…ほどの重大な意味を持つ、重要である |
It means a lot to me. (すごく嬉しかったよ。)
って、え、何で?どこにも嬉しいと書いてないじゃん、と思うかもしれません。訳しにくい文なので意訳ですが、状況によってはそういう意味になります。
ここでは、"mean" は「(人)にとって…ほどの重大な意味を持つ」という意味です。
なので、直訳すると、「それは私にとって大きな意味を持ちます」ということ。
人が何かをしてくれた時、その行為が自分にとって非常に意味のあることだった、その気持ちが嬉しかった、と感謝の気持ちを述べる時に使います。
例えば、自分の結婚式に、遠方に住んでいる親友が駆けつけてくれた時。
*all the way (遠方から)はるばる
「わざわざきてくれて本当にありがとう。すごく嬉しいよ!」
It means so much to me. と"a lot" の代わりに"so much" を使って言うこともよくあります。
また、単に「重要な意味を持つ」と述べるだけの場合もあり、この時は感謝の気持ちを表しているわけではありません。
His music means so much to me. (彼の音楽は、私にとって本当に大事です。)
9. I know you meant well. (悪気はなかったって分かってる。)
mean well 良かれと思ってする(言う)、悪気はない |
I know you meant well. (あなたが良かれと思ってしてくれたって分かってる。)
という表現もあります。"mean well" は、結果的にはお節介だったり余計なことだけど、良かれと思ってする、悪意はない、という時に使います。
10. You are meant for me. (あなたは私の運命の人。)
be meant for (名詞) 〜になることに決まっている、〜向きにできている、〜にあげるつもりのものである |
これは、「意味する、意図する」というmeanが、「be動詞+過去分詞形」の受け身(受動態)「〜される、された」になり、「意味される、意図される」という意味になったと考えられます。
そこから、「〜というように意味づけられている」「(何か大きな力によって)意図されている」、つまり「運命づけられている」、という意味になります。
We are meant for each other. (私たちはお互いに運命の人なのよね。)
また、「〜向けにできている」という意味もあり、こんな風に使います。
He is meant for the job. (彼はその仕事にぴったりだ。)
これも、その仕事に就く定めだった、生まれつきその仕事に向いていた、という運命的なニュアンスがあります。
また、「〜にあげるつもりのものである」という意味もあり、自分の書いた手紙や用意したプレゼントが違う人の手元に渡ってしまった場合、こんな風に言います。
It's meant for somebody else. (別の人宛てのものなの。)
11. It was meant to be. (そういう運命だったんだ。)
be meant to (動詞の原形) 〜することになっている |
It was meant to be. (そういう運命だったんだ。)
恋愛ものでよく聞きそうなセリフですね。これも運命的な響きがあります。
We are meant to be together. (僕たちは一緒になる運命だったんだ。)
12. You are mean! (意地悪!)
mean <形容詞> 意地悪な |
You are mean! (意地悪!)
これは、形容詞で、「意地悪である」という意味です。形容詞なので、amやisなどのbe動詞と一緒に使うか、後ろに来る名詞を修飾します。
Stop being mean to your brother! (弟に意地悪するのはやめなさい!)
13. means = 手段
means <名詞> 手段 |
名詞として「手段」という意味で使われることもあります。単数形でもsがつきます。
E-mail is an important means of communication today. (メールは、現代の重要な通信手段である。)
14. 名詞は meaning
「意味する」などの意味でのmeanは動詞ですが、これの名詞形はmeaning「意味」です。よく、"meaning of 〜" 「〜の意味」という形で使われます。
ややこしい状況に追い込まれた登場人物が、こんな風に叫ぶのを聞いたりします。
What's the meaning of this?! (この意味は何?)
もちろん、言葉の意味などをいう時にも使えます。
What's the meaning of this word? (この言葉の意味は何?)
これは、同じことを動詞のmeanを使っても言えますね。
What does this word mean?
まとめ
ものすごーくたくさんの表現が出てきましたね。
覚えるのが大変…と思うかもしれませんが、ドラマ1話の中で、"mean"という言葉が全く出てこないということは恐らくないのではないか、と思うほどよく出てきます。
実際、私が昨日観たドラマでも、1話の中だけで5回ぐらい出てきましたよ。
覚えておくと、絶対に「あ、これ知ってる!」と思う時が来るでしょう。ぜひ覚えてくださいね!