日本のお笑い芸人のゆりやんレトリィバァさんが、アメリカの人気オーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント」に出演し、話題になっています。
全世界で視聴される人気番組で、一体ゆりやんさんはどんなパフォーマンスをしたのでしょうか?
この時の出演動画や審査員・観客の反応、ゆりやんさんの英語力などを紹介します。
この時、審査員とゆりやんさんがどんなことを話しているのかも解説しますね。
ゆりやんレトリィバァとは
ゆりやんレトリィバァさんは、奈良県出身のお笑い芸人。1990年生まれで、現在28歳です。
大学生の時に吉本総合芸能学院に入学し、在学中に「NSC大ライブ2013」で優勝、首席で卒業しました。
第1回女芸人No.1決定戦THE Wで優勝したり、数々の賞を受賞しています。
漫談、1人コントのスタイルで、得意のダンス、英語、ピアノを取り入れたネタが多いです。
海外の大物女優を演じたこのコマーシャルのように、流暢な英語の合間に日本語を挟んだりするのがお得意ですね。
「アメリカズ・ゴット・タレント」とは
さて、そんなゆりやんさんが挑んだ「アメリカズ・ゴット・タレント(America's Got Talent)」とは、2006年から放送されているアメリカの人気オーディション番組。
2019年現在、シーズン14が放送中という長寿人気番組です。
今までのオーディション番組と違うのは、歌うことだけではなく、マジシャンやダンサーなど、タレント(才能)がある人なら、どんなジャンルでも出演する可能性があること。
そして、題名は「アメリカに才能のある人がいる」というような意味ですが、出演者の国籍は問わないようですね。
過去にも、シーズン8に日本人ダンサーの蛯名健一(えびなけんいち)さんが優勝しています。
ゆりやんレトリィバァ「アメリカズ・ゴット・タレント」出演動画
さて、そんな番組にゆりやんさんは、ダンスで挑みました。
こちらがその時の動画です。
Yuriyan Retriever Teaches Simon Cowell How To Dance! - America's Got Talent 2019
パフォーマンス前のトーク
まずは黒いパーカで衣装を隠して現れたゆりやんさん。
「仕事は何をしている?」と聞かれ、「パフォーマー&ダンサー」と答えました。
「それで生計を立てているのですね?」と聞かれると、「ちょっとね〜」と言って、さっそく笑いをとります。
その後、審査員はゆりやんさんの芸名について質問します。
サイモン「どうして『ゆりやんレトリィバァ』という芸名になったのですか?」
ゆりやん「ペットを飼っているんです。ゴールデンレトリーバーって知ってますか?」
サイモン「もちろん知っているよ。」
ゆりやん「私は猫を飼っているんです。」
みんな「…⁈」
ハーウィー「それがレトリーバーとどんな関係があるの?猫を飼ってるのなら」
ゆりやん「猫の名前が『レトリィバァ』なんです!」
ここで「ああ〜、なるほど〜!」という納得の声と、大きな笑いがおきます。
さらに、
ハーウィー「私たちが知っている人で、自分を例えると誰だと思う?」
ゆりやん「世界で尊敬しているのは3人だけです。母と、父と…」
ここで少し止めると、サイモンさんが「俺、俺!」というジェスチャーをしますが、
ゆりやん「それからジュリアン!」
と隣に座っている審査員のジュリアン・ハフさん(ダンサーでもある)を喜ばせます。
パフォーマンスに入ると、まずズボンを脱ぎ、大きな歓声が起こりました。
続いて、黒いパーカを脱ぎ捨てます。
その下には、星条旗(アメリカの国旗)模様の水着!
ダンスと審査員の反応
パフォーマンスを始めると、奇妙な手と頭の動きに困惑顔の審査員や観客の顔が見えますね。
でも、審査員の中でもハーウィーさんはノリノリです。
観客の中にも、大ウケしている人もいます。
ダンスが終わった時、サイモンさんは「一体今のは何だったんだ?」とつぶやきました。
審査員一人一人が "Yes" か "No" という判定を出すのですが、
ハーウィー Yes
ガブリエル No
ジュリアン Yes(本当はNoというつもりだったけれど、ハーウィーさんに無理やりYesということにさせられる)
サイモン No
ということでした。
3つ以上のYesがないと次のラウンドに進めないので、ゆりやんさんは、
「何でNoというのか分からないわ。下に行く!」
と言って、審査員席まで下りてきます。
そして、話しながらさりげなく自分の肘でゴールデンブザー(次のラウンドが免除され、準々決勝に進出できる)を押そうとしたのです!やりますね〜(笑)。
上の動画にはパフォーマンス後の映像も収められ、審査員たちと交流をする様子が見られます。
思うに、ダンスの才能ではなく、コメディアンとしての才能は認められたのではないでしょうか⁈
ゆりやんレトリィバァの英語力は?
ゆりやんさんと言えば、外国人女優に扮して英語風スピーチの合間に日本語を挟んだり、ニューヨークで漫才を披露するなど、英語が堪能だというイメージがありますよね。
「アメリカズ・ゴット・タレント」という大舞台で英会話力を存分に発揮したわけですが、実際その英語力はどうなの?と疑問に思う方もいるかもしれません。
この動画を見ると、はじめに「日本から来た」と言ったので、審査員の皆さんはゆりやんさんに合わせて、ものすごくゆっくりはっきり話しています。
英語教師の私から見た率直な意見を言うと、ゆりやんさんはものすご〜く流暢というわけではありませんが、基礎は抑えており、自分に必要な語彙をきちんと学んでいるようです。
とてもはっきりした発音で、大きな声で話していますよね。
多少日本語アクセントはあるものの全体的に発音はとてもいいし、ネイティブの人なら何を言っているのか完全に分かる、十分通じる英語力です。
そして、何と言っても素晴らしいのが、コミュニケーション能力!
相当なものだと思いますよ。
ゆりやんさんは、ハーウィーさんの
「私たちが知っている人で、自分を例えると誰だと思う?(Who that we know would you compare yourself to?)」
の質問がよく分からなかったようです。ハーウィーさんは、ゆりやんさんがどんなことをする人か、芸風や芸能界での立ち位置みたいなものを知りたくて、この質問をしました。
例えば、適当ですが「ジム・キャリーです!」とか言えば、「ああ、日本のジム・キャリーか〜、コメディアンで俳優もやるのかな」という感じでよくわかります。
「私たちが知っている人で」と付け加えたのは、日本の有名人を言っても分からないから、アメリカ人でも知っている有名人で例えてね、という意味でした。
でもその意味を理解せず、ちょっとずれた答えをしていますね。
多分 "Who" は分かったので、そこから質問の意味を推測して答えているようです。
結果的にはちょっとずれた答えになったしまいましたが、このように文全体の意味で捉えようとすることが、外国語で会話する時に必要な能力ではないかと思います。
日本人は、メンタル的なところが弱いんですよね。相手の言うことが聞き取れなかったらすぐに自信をなくしてしまうとか、少しでも分からない単語があったら引っかかってしまうとか。
でも、ゆりやんさんは、こんな大舞台で堂々と受け答え、多少分からなくても自分なりの解釈で会話を進め、最終的には笑いをとってしまったのですから、素晴らしいと思います。
ゆりやんレトリィバァ、インスタで出演を報告
ゆりやんさんは、自分の出演したエピソードの放送後、自身のインスタグラムで出演を報告しました。
「夢のアメリカズ・ゴット・タレントに出させていただきました!」とあるように、前々から出演したいと思っていたようですね。
努力して、夢を叶えたゆりやんさん、おめでとうございます。
勝ち残れなかったけれど、アメリカ人に忘れられない印象を残したのは確かでしょう!
まとめ
2019年6月に放送されたアメリカの人気オーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント」に出演した日本のお笑い芸人・ゆりやんレトリィバァさん。
勝ち残ることはできませんでしたが、独特なダンスやトークで会場を笑の渦に巻き込み、大受けしました。
その英語力・コミュニケーション能力も絶賛されています。
これから、海外での活躍も増えるかも⁈楽しみですね。